「古墳時代の瀬戸内市―前方後円墳を中心に―」岡山理科大学名誉教授の亀田修一氏が講演

 

 令和5年7月29日、岡山理科大学名誉教授の亀田修一氏を講師として、瀬戸内市中央公民館を会場に古墳時代の瀬戸内市について歴史講演会を開催し、約90人が聴講しました。

 亀田名誉教授は、瀬戸内市の前方後円墳を主とした首長墓の分布を、長船北部、長船南部、牛窓の3ヶ所のグループに分け、首長墓の概要や築かれた背景について、地域の産業との関係から解説されました。さらに、奈良時代の「郷」単位の地域を文字資料や古墳から読み解き、大和王権や朝鮮半島とのつながりについても述べられました。

 講演の中で、「牛窓グループは4世紀から6世紀まで80~60m級の前方後円墳が継続する珍しい地域で、5世紀後半の吉備の反乱伝承以降も大和王権に力が認められていた。」「須恵器窯が牛窓地域の海岸まで南下しなかったのは、沿岸部の塩づくりと須恵器づくりも大和王権・屯倉との関わりがあり、薪の利用で生産地のすみわけがなされたか。」などの説について語られました。